全国的な拡大が懸念されるコロナウイルスに対し、ついに全国一律ではないにしろ、「非常事態宣言」が出されました。この先いつまでウイルス蔓延が続くのか予測がつかない現在、ブルーベリーの生産農家の皆さんも今夏の対応に苦悩されているのではないかと心配しております。
摘み取り園を経営されている方からの問い合わせがありましたが、このまま例年通りの経営は難しいのではないかとのお話です。そして、現在どのような対策が必要になるのか?とのお話でした。
現在の状況が大きく好転することは期待できないと思いますので、このままの状況が続いた場合を想定し、対策を考えてみましょう。
摘み取り園の開園は、地区により相違はあると思われますが、大方7月初旬から9月いっぱいまでかと思います。夏休み中がピークになるのがこれまでの状況から想像されます。
最近では暑さの中での外出が控えられ、客足の鈍さが各地で指摘されていますが、今年はそれにコロナの影響が加えられます。具体的な対策として、まず、どのような場合も、手洗い場所の確保と消毒薬を設置するなど衛生に十分な配慮が必要ですし、その取り組みを目につきやすい場所に掲示したり、ネット等でお知らせするなど、お客様が安心できる対策を取ることが大事です。その上で、以下例として挙げます。
野外での摘み取りはこのアウトドアに適していますので、これを利点とし暑さ対策を十分に考え、摘み取りにアウトドアを加えるのはいかがでしょうか?木陰にバーベキューのできる場所を設置する、キャンプのできるような場所を確保する、小動物とふれあうことができるようにする、ドッグランの場所を設ける、ツリーハウスの設置などが挙げられます。また、他の作物(例えば野菜など)も一緒に販売するなどの工夫もいいと思います。ブルーベリーの摘み取りプラス他の楽しみを加えるのがセールスポイントかと思います。もうすでに導入されている方も、今夏は更に一段階アップする工夫があれば良いかと思います。
前後しますが、暑さ対策をもう一度見直してほしいと思います。日陰を作る方策、ネットを張ったり、ミストの装備を導入したり、木陰を作るために樹木を植えたり(これは来年以降のため)することが重要かと思います。また、園内に休憩するベンチやテーブルなどを配置することも、さらには営業時間を早めて日中は閉園するのも一手です。
摘み取り園以外での対応としては、宅配便を利用した産地直売に今まで以上に力を入れるのがいいと思います。外出が自粛される中、宅配で果物を購入する消費者が多いと予測されますので、従来の顧客管理を整理しDMなどを活用し販売ルートを広げます。そして収穫は早朝だけにして、その日に収穫したものを夕方宅配便で送るのをPRすることです。ホームページを開設するのも、郵パックを利用するのも有効な手段ですし、SNSの利用も大いにすべきと思います。すでに導入されている場合は、複数の手段を取り入れるなどして下さい。
産地直売所などを利用して販売しているのであれば、現状維持でも問題はないでしょうが、やはり暑さで実が傷みやすいので、早朝の収穫と保冷庫の利用が必要です。販売しきれない量の収穫物は、当然ながら保冷庫や冷凍庫にて保管しなければなりませんし、冷凍果の販売にも力を入れなければなりません。近隣の菓子店に営業をかけるのも必要ですし、それを原材料として加工する必要も出てくるかと思います。今年は冷凍果が増加することも予想されますので、早めにPRすることも必要です。加工品づくりを受託する業者も多いでしょうから、コンタクトを取っておくのも今後役に立つかと思います。
開園を予定されているのであれ、直販や宅配を計画されるのであれ、対策は早めに実行するのが重要です。流通機関が営業自粛や業者の品不足、人手不足等で通常通り動かない心配があります。協会で取り扱っています生果容器、のぼり旗、硫黄粉末等には今のところ大きな影響は出ていませんが、一部関係者からは受注後の配達の遅れがある旨連絡が入っています。今後どのような事態が生じても対策は早めが重要です。
以上ありきたりの対策になってしまいましたが、今年は暑さ対策とコロナ対策に苦労しそうな現状ですし、例年続く台風などの自然災害対策も考慮しなければなりません。その他様々な問題があると思われますが、味のよい、新鮮かつ安全なブルーベリーを作るのが販売戦略上最大の武器であり方法であると言えますし、工夫してこそ活路が見いだせるのではと考えます。
コロナの影響がないように祈るばかりですが、生産者の皆さんのご健闘を期待しております。
なお、協会は、今後もコロナウイルス対策の状況を見つつ、営業を判断していく日々が続くかと推測されます。営業日や時間等は逐次HPでお知らせする予定です。
どうぞご理解、ご協力のほどよろしくお願いいたします。
一般社団法人日本ブルーベリー協会 事務局